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綿花・試験栽培
2016年・鉢植え栽培



西日本の各地に散在している神籠石遺跡を古代の綿花農園跡であると位置付け、

それを立証するためにこのページを開設しています。ひいては無農薬綿花栽培の

お役に立てれば光栄です。今回の写真は福岡県前原市にある雷山神籠石です。




雷山神籠石の石列は、初期型と改良型とが混在しています。

上の写真は南側にある初期型の石列です。立て屏風のように薄い石をしており、石城山と同じです。

薄いことは石も軽くて工事がし易く、害獣除けはこれで良いですが、薄いので、柵を載せると石から柵が

外れて倒れてしまう欠点があります。古事記にも柵が倒れて破れてしまうことを詠んだ歌があります。

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東側の石列です。石に厚みがあり、上の平らな部分に柵を載せても頑丈に作れます。

しかし、柵が石の上でずれてしまう欠点が残っています。それをさらに改良したのが、

柵がずれないように石に溝を付けた後期型です。雷山にはそれらがすべて揃っています。

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綿花栽培には豊富な水を必要とします。

雷山には今でも小川が流れています。



雷山神籠石の説明ページ (内部リンク)



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2016年・鉢植え栽培


去年の試験栽培での結果を簡単にまとめてみます。


綿は綺麗な土と綺麗な水を好む。ワサビみたいなもの。

土は肥料などを含まない新鮮な山砂がいちばん良い。

害虫被害を防ぐには、害虫が土に潜り、サナギになって越冬する時期に

表土を約 10センチ程度、除去してやれば害虫被害を極端におさえることができる。

その際の畑の地形として、削り取った廃土を捨てる関係上、平地の畑よりも、

丘状の山なら谷に廃土を捨てられるので最適である。また、その丘には湧水が

あることが絶対条件になる(綿の栽培は砂状土質でやるため多量の水を必要とする)。


以上の結果が出ました。


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以下、今年の栽培記録です。

試験栽培のため、約 2か月遅く蒔いています。




今年は鉢植えの物も栽培してみます。






かなり大きい植木鉢です。






去年収穫した綿のタネを使います。

今年は三粒蒔きをしてみます。

土は林道の掘り割りで採取した山砂を使います。

試験栽培のため、石灰などは使わずに、山砂そのままです。






一晩ほど水に浸けておきます。この段階で、問題点がありました。

タネに付着している綿は、しっかり取り除いておいてやらないと、

発芽する時、綿の繊維が絡まって発芽の日数がかかります。

私は何も思わずに綿が絡まった状態で蒔いたところ、

発芽の日数が、いつもの倍以上かかりました。







タネは指の第二関節ぐらいの深さで蒔きました。

なぜ深く蒔くかと申しますと、発芽する時のタネの殻を土中で脱がさせるためです。

土中で殻を脱がさせると、それを栄養分にします。だから今年は三粒蒔きにしました。

一粒蒔きでも大丈夫ですが、発育の日数が去年と比較してどうかなと、今回やってみます。






綿の繊維が絡まって発芽の妨げになったらしく、7日もかかりました。






発芽したら暫らくは軒下などの風通しの良い日影で育てます。

地面での発芽なら、昼下がりの一番暑くなる時はムシロ(コモ)みたいな物で日影をつくってやるといいです。

なぜかと言うと、発芽して間もない頃は根が浅いからです。表土のほんの少しの乾きでも発育に影響します。

そのぶん頻繁に水をやればいいですが、広い畑だと大変です。コモで日影を作って砂の乾燥をおさえます。

その際の注意点として、砂の乾燥をおさえるなら、地面に直接敷けばと思うのが常ですが、それは敷物の下が害虫の

住み家になりますから、無農薬を掲げるならやらないほうがいいです。そうして、午前中はできるだけ日光にあてて、

午後からの強い陽射しで砂が乾燥する時間帯だけ、コモを傘のように上に広げて砂の乾燥をおさえるのが理想です。

そうして、ある程度の日数が経過して、根が土中深くに成長すれば、もう、コモかけはやらなくて大丈夫です。


万葉歌の一節、「 コモヨ ミコモチ フクシモヨ 」 の歌にはこうした意味があるのです。




以下の成長過程は写真の日付けを参照してください。




































間引きをしました。

発芽して間もない頃は、自分の殻を栄養源にするということの証明です。

自分で脱いだ殻に根が巻き付いて、栄養分を吸収しているのがわかります。

そうした訳で、タネを埋める時には、タネを適度な深さで埋めて、殻は土中で脱がさせる必要があります。

砂の場合、抵抗が少ないですから、浅く蒔くと殻を脱ぎきれないまま、殻を葉に付けて砂から出てしまいます。

私がいろんな深さで試してみましたところ、指の第二関節ぐらいの深さが良いです。

出て来るまで少し日数がかかりますが、殻は確実に脱いで出て来ます。




自分の殻を栄養源にすると、根に明瞭に現われます。

の2本はまだ吸収中なので根が細いです。

の2本は吸収が終ったらしく、根がダイコンのように太くなっています。

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 7/5


 7/7



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夜になると葉をたたむ棉


 7/21


 7/22


 7/31




防風対策

棉は、きわめて風に弱いです。








防風対策の詳細は地面植えのページを参照してください。















つぼみは葉と一緒の所に出てきます。

すなわち、それぞれの葉はとても大事な役割を持っています。

葉がダメになったらツボミもダメになってしまいます。

葉を守る意味において、風よけ対策は大事と言えましょう。







肥料を溶いた水をやった直後です。いつもこのぐらいやっています。

後日追記・肥料障害になるので、毎朝は多すぎでした。あたえるタイミングが難しいです。

砂ですから、すぐに染み込みます。そのぶん乾燥するのも早いですから気を使います。

水をやる時、ジョロなどは使わずに、柄杓で砂に水やりをします。

なぜ、ジョロを使わないかと申しますと、

葉に水をかけると、ナメクジの発生原因になるからです。

棉の葉は特に弱くて、ナメクジが這っただけでもダメになってしまいます。

葉を守ってやらないと、綿は葉と一緒に出てきますから、収穫量に影響します。

つまり、葉の数が綿の数と言ってもいいほどです。

日中の炎天下でも、水やりは砂です。葉には絶対に水をかけません。

いくら暑くとも、植物には自分で冷却する機能を持っていますから、

砂に水を切らさない限り炎天下でも大丈夫です。


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風に弱いので、サランラップを巻いて応急処置をしました。












市販の鶏糞はフリーズドライなので硬くて。

これでも微粉にはできないです。

毎朝、1日に 1回だけ鶏糞を水に溶いてやっています。

後日追記・肥料障害になるので、毎朝は多すぎでした。あたえるタイミングが難しいです。






最初の開花です。約 2か月かかりました。









台風が近づいているので屋内に避難させました。








樹高 80センチです。

風には気を使います。



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蕾の落下に関して





蕾の落下は受粉していないから落ちる、というのは勿論あると思います。

花の咲いた後に落花したのはそうとしか思えません(上の写真)。

ところが、花の咲く前の小さい時に落下するのがあります(下の写真)。




鉢植えのほうは害虫は全然ついていませんので虫にやられたとは言えません。

風で落ちたかと言うと、写真のは屋内に避難させていた時のもので、無風です。

肥料は毎朝、鶏糞の水溶液を与えていますから栄養不足とも言えません。

翌年追記・肥料障害です。栄養過多に陥っています。

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嵐の前に葉が蕾を抱擁(ほうよう)して守っています。

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今年に採取した新しい砂だと害虫は一か所も付きません。

バッタのウマオイムシに葉を少し食われた程度です。


一方、古い砂に植えた棉は、葉をクルクル巻きつけるハマキムシが付いて葉がボロボロ状態です。

古い砂と、新しい砂との距離はわずか 5m程度しか離れていないことを見ても、

空中から飛来して産卵孵化するのは少数で、地面から上がって来ることがわかります。


以上のことを見ても、害虫対策は新しい砂(土)を使えば解決します。



さて、この時まで蕾の落ちは普通で、なんとか良好だったのですが、

ある日のこと、蕾がポロポロと落ちて裸状態になってしまいました。





農業に詳しい人に訊くと、その原因は鶏糞にあり、市販の鶏糞は肥料障害になりやすいのだそうです。

つまり栄養過多に陥った訳です。毎朝、鶏糞の水溶液をあたえていたので、それが悪かったようです。

すぐに水を通して砂を洗浄しましたが、時すでに遅し 。−−。


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開花受粉が済んで落ちた花です。




開いてみました。中身も一緒に付けたまま落ちるんですね。

よ〜く見ると、芯が無い。芯は残るようです(笑)









一旦はほとんどの蕾が落ちてしまい、諦めていたのですが、

あれから再びどんどん蕾が付きまして、今はまた 20個ぐらい付いています。

これから気温が下がってくるのでどうかなという感じです。


樹高は9/23現在で 1m30p になりました。てっぺんの辺りにまで蕾が付いています。

なお、鉢植えも地面植えも、今は鶏糞は止めています。水だけあたえています。

あまり期待はせずに(笑)見守ろうと思います。




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10/1 花壇植えの蕾が鈴生りになりました。

数えてみると、1本の木に四十九個付いています。五十個です(笑)

これが落ちずに全部コットンボールになってくれれば大成功なのですが、

季節的に、もう遅いので、ほとんど期待はしていません。


樹高は、私の背丈より高くなりました。

これを見ても、上に高く伸ばして、枝をたくさん出させたほうが収穫量が上がることがわかります。

1本の枝に多い時には、5個ぐらいの蕾が付くのですが、どうしても小さい内に落としてしまいます。

だから、枝を多く出させたほうがいいです。枝をたくさん出せるには樹高を上げる、という方法になります。






鉢植えのほうは、約二十個の蕾が付いていますが、これも期待はしていません。

いちおう、蕾の数を増やすコツというものがわかっただけでも上々です。

コットンボールが幾つ採れるかの結果論が勝負ですから、来年再来年に賭けます。



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2016-10/6 木曜日 晴れ

鉢植えの綿が出ました。

これは最初の一斉落下をまぬがれた蕾です。

綿も成長して大きくなりますから、すぐには摘み採りません。

約3週間ぐらいこのままにしておきますと、大きなコットンが採れます。

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10/21

はじけて 15日経過。だいぶ大きくなりました。

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10/28

はじけて約 3週間。

はじけた時の何倍もの大きさになりました。

このぐらいかな?と思い、摘みとりました。


ちぎって枝から離そうとしたら、かなり強くて意外でした。

枝のほうが折れそうになるので、ハサミで切りました。

細い割りに強いです。そのくせ落ちる時にはあっさりと落ちるんです。


綿は、米みたいですね。

ひとつは小さいですけれど、たくさん栽培すればいいのです。

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棉の蕾はみんな上向きに出る




棉の茎は、どの蕾を見ても全部上から出ています。

栄養過多だと茎が硬化するらしく、柔軟性が無くなり、矢印の部分から折れて落下します。

下の写真は、折れた部分です。




折れた部分からはもう出てきませんでした。





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