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万葉集 巻第1 66番歌
大伴の 皇子の浜の 松が根を 枕き寝れど 家之偲はゆ
新しいページも参照してください。(内部リンク)
柳井市伊保庄賀茂神社の北側に約数百メートル離れた地点に伊保庄菅原神社があります。
伊保庄菅原神社の拝礼方位は、麻里府の神花・阿多田古墳です。
前面には笠佐島があり、そして周防大島の小松を遠望しています。
上の写真は、伊保庄菅原神社から撮影したものです。
下の写真は、伊保庄賀茂神社から撮影したものです。
どちらも女性が仰向けに寝ている形をしているのがわかると思います。
歌中の「枕き寝れど」は、この形が根本になっていると考えられます。
女性の乳房から腹部にかけてのふもと一帯の地名を「小松(こまつ)」と言います。
小松には「志駄岸八幡宮」があります。
こんどは、その志駄岸八幡宮へ行ってみましょう。
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周防大島の小松にある志駄岸八幡宮です。
2本目の鳥居をくぐって石段を約20段程度昇ると、参道は右方向へほぼ直角に折れ曲がって昇って行きます。
志駄岸八幡宮・本殿です。
参詣を済ませたら、クルリと方向変換して前面を遠望してみますと、下の写真の風景があります。
黄色の矢印は志駄岸八幡宮の前面方向です。
万葉歌の「大伴の 皇子の浜の 松が根を 枕き寝れど 家之偲はゆ」
先ほどの女性が仰向けに寝ている像で見ますと、丁度、頭の部分を方位線(松の根)が通っています。
歌の通りに枕にして寝ています。
では、次に「大伴の皇子」について考えてみます。
大伴を明らかにするには万葉集を離れて古事記の通称「天孫降臨」の段に飛びます。
天孫降臨については前章で証明しています(内部リンク)。大星山を中心にして、東が天忍日命であり、西が天津久米命です。古事記にありますように天忍日命は「大伴連らの祖(おや)」です。すなわち、志駄岸八幡宮のある周防大島小松は万葉歌にある「大伴の皇子の浜」に相当します。
次に「家之偲はゆ」について。
家之は原典通りの文字ですが、二通りの解釈ができます。
「母(かぁ)し、しのばゆ」と「家し、しのばゆ」です。ここは従来通りに家としておきます。
家とは、文字通り自分の住んでいた屋敷であり、その場所を意味しています。家の意味を解くには、志駄岸八幡宮の方位線が重要な役割りをします。
歌の「家」を明らかにする際に重要になってくるのが大波野・天王原です。そこには天王原古墳があります。天王原古墳はほとんど原形をとどめていない平地同然の高さにある古墳です。波野スフィンクス頂上から下ろされた人物(通称・仁徳天皇)を埋葬していました。やがて親族らによって(推古天皇・聖徳太子)「茅野の東」に改葬されます。柳井市の水口茶臼山古墳です。その陵墓は「カラぁたいの子(塩を意味)」らによって守られます。よく墓守などという特別な言葉を使われますが、親族が先祖の墓を守るのは昔も今も当然です。やがては移住して行った人々達の安定とともに現在の堺市・仁徳天皇陵に改葬されます。すなわち、歌の家とは初代の地を意味しており、志駄岸八幡宮の方位線によって示されている、ということになります。
フィルムスキャン
笠佐八幡宮
フィルムスキャン
笠佐八幡宮
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大友大権現
周防大島で「おおとも」と言うと、すぐに西屋代・龍心寺の脇にある大友大権現が思い浮かびます。
大友大権現
首から上の病気を治してくださると謂われており、おまいりする人の多い堂宇です。
実は、私もそのうちの一人です。
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古代史にとって重要なのは大友さまの裏手高台にある菅原神社です。
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西屋代・菅原神社
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菅原神社と呼ばれているものは重要な神社が多いと今までに何度も書きました。
ここもそうです。古墳を削って堂宇が建てられています。
この菅原神社の方位線を分析しますと、向かって右方向に東屋代の大歳神社と連係しています。
東屋代の大歳神社は水口茶臼山古墳を拝礼している極めて重要な神社です。
ということは、この菅原神社こそ古事記にある大伴連の祖先の陵墓跡である、ということになります。
天忍日命の陵墓跡です。どこかへ改葬されたんでしょうね。
完全に平地にはせず、わずかの墳丘が残されています。
平生町佐賀の白鳥古墳の墳丘と同じ残し方です。
石の右側、平面状になっている切り口を見ても、人の手になっていることがわかります。
岩神社という石祠が祀ってあります。
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