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  特集  蒲井の涅槃像(かまいのねはんぞう)       


 蒲井に行く道中より望む。 それはそれは巨大でリアル。
 この像は胎蔵界(たいぞうかい)を表している。
 胎蔵界とは仏教語で母胎を意味する。如来の慈悲から全ての佛菩薩が現れ、衆生を救済する、という。
 ひいては、古代には水中出産がおこなわれていたことをも表していると言えよう。
 矢印Aの辺りに蒲井八幡宮がある。
 矢印Bの所をこの先の道路が通っている(3枚目の写真)
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 残存状況。 
 涅槃像の東側は、なだらかな斜面で残存状況は良い。 矢印の部分が肩の辺り。
 この付近に源平を祀る複数の祠があるらしいが、この状態で確認できず仕舞い。
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 最初の写真で説明した道路の所。
 近くで見ると、あまりの巨大さに山しか見えない。
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 残存状況。
 こちらは西側。閉じた目の陰影が、かろうじて見える(波打ち際の上)
 口や顎(あご)の辺りはもう崩れてしまったのだろう。

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 錆付いたウィンチの残るコンクリート塊。
 コンクリート破断面を見ると、鉄筋がまったく入っていない。推測だが、戦時中の物ではなかろうか?
 聞いたところによると砕石場の跡だというも、このウィンチは船に関係した物・・・??。
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 残存状況。
 こちら側が頭(顔)。向こうの三角形の山が肩の部分。
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 顔の部分の残存状況。
 顔に相当する部分の石壁。学術用語では「板状節理」というらしい。高さ何十メートルもの絶壁である。
 草の下側、洗濯板のような模様は、アスワンの古代石切り場に見られる波状の石切り模様と少し似ている。
 崩れと風化がかなり進んでおり、本来の表面は殆ど不明。
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 顔の前に採石場の跡・・・・・。
 跡形もなく破壊されている・・・・・。申し訳ないが、どうしても私には採石場の跡には見えない。
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 涅槃像の額に相当する部分にも・・・採石場の跡が・・・。
 下の写真はその拡大版。 ・・・床が抜けそうな薄いコンクリート・・・そして側面のぶ厚さ。
 釣り人達のポイントになっているらしい。どうか床の薄さには気をつけてください。


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 右側の山が顔に相当。左側の三角形の山が肩先に相当。
 このガレ場を見ると、採石も少しはあったものかと思われる。
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 肩の部分(西側面)。
 何十メートルもありそうな絶壁になっている。その大きさと高さに唖然とした。
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 涅槃像のふもとから蒲井漁港を遠望。
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 ガレ場で採取した石。 
 穴の直径・・・2〜3センチメートル。深さも同じく。
 この石全体の寸法・・・15センチ×10センチ。
 「盃状穴(はいじょうけつ)」とは、こういう石を言うのだろうか??写真の石は小さい方で、大きい石になると、多くの穴の開いている石も発見できた。大きい石はどうにも動かせないので、小さい石を探した。どの石も穴の大きさは、このくらいだった。溶岩の中に混入したガスのアワの跡、というのが私の推理。
 大きい穴の石もあったはずだが、薬草や食物を搗く臼に利用できるため、殆ど採取されたのだろう。
 今でも発見できるということは、昔はもっとたくさんあったと思われる。
 資料を見ると、もともとは女性のシンボルを意味しており、ヨーロッパからシベリアを経由して弥生時代に栄えた原始宗教、とある。魔除けになるそうだ。


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