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万葉集 巻第二 187番歌 関連写真と説明


つれもなき 佐田の岡辺に 帰り居ば 嶋の御橋に 誰か住まはむ



この歌の解読で問題点は「つれもなき」の部分です。

そこをどう読むか、ということで随分試行錯誤しました。

原文字には「所由無 佐太乃岡邉尓〜〜〜」とあります。

結果として、あれこれ変えるよりも現行のままが良いという結論に至りました。

「つれもなき」の意味については、今の言葉で言うなら「つれない」という意味であり、

国語辞典から引用しますと、「思いやりがなく、つめたい」 とか

「よそよそしい」 「そしらぬ顔をしている」 などといった意味になります。



 続く問題点は「嶋の御橋」です。 御橋に 「誰か住まはむ」 ですから、本物の橋に住むとなると少々不自然です。

ここでの橋とは「抽象言葉」であり、何か大きな、例えば天橋立みたいな所を橋という抽象言葉で表現していると考えられます。

からと水道で見ますと、「嶋」とは、室津半島を意味します。今は半島ですが、からと水道の時代には島でした。

そして、室津半島と本土側に橋をかけたような地形になっているのが蓮台寺山です (下の写真)。

蓮台寺山は、からと水道が直角にカーブしている所に突出している長い丘です。

つい近年まで極楽寺がありましたが廃寺になり、建物は撤去され、石碑が立っています。








丘の東側から西へ向いて撮影した写真です。



蓮台寺山の極楽寺跡の状況は、こちらの内部リンク先のページをご覧ください。






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