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出雲に到達する方位線を持つ社寺

蓮台寺山・極楽寺跡
山口県柳井市余田(よた)蓮台寺山の山中



極楽寺のある蓮台寺山は余田(よた)という所にあります。
その余田は、かって岩国藩の管轄でした。
山口県の古記録は主に防長風土注進案に頼っていますが、
岩国藩は欠落しており、未だ明確になっていません。

岩国藩を知る古記録でいちばん古いものは「古村記」があります。
古村記の成立は寛文八年(1668)に藩庁で編集されたようですが、実際に
各地を歩いて編集されたのか又は何かの古い本を書写したのかは明確でありません。
残念ながら原本は残っておらず、現在残存しているのは全部写本です。
残存している写本七種の内の一冊は明治十六年に写されたようです。
他の写本は写した年月を記していません。

その古村記にこの極楽寺が記載してありますから、蓮台寺山の極楽寺は
寛文年(1600年代)以前より存在していたことが証明されます。

古村記 與田村 より

一、同所(西山)に極楽寺という小庵に同心者住居、
此外に蓮台寺という寺跡ありし候へ共、本尊も無く記録に付け難し


古村記が編集(書写?)されてから約百年後の享保十一年(1726)に「享保増補村記」が編集されます。
その記録には極楽寺の記載は見あたりません。西山と蓮台寺の地名は記載してあるのですが、不明です。




A 八幡八幡宮  B 専福寺(出雲大社の前身が在った地点を指している)
C 小山(万葉では香山)頂上に徳吉稲荷(上ゲという所)  D 大内公園・聖徳太子の初代上宮跡と推定
E 八坂神社(祇園社とも)この神社と八幡八幡宮とを結んだ線上  F 大恩寺(極楽寺と関係あり)
G 菅原神社(波野天神とも)万葉歌の件  H 有名な万葉歌の詠まれた地点

上写真の水色の丸印は、からと水道の跡を示しています。
蓮台寺山は、からと水道が大きくカーブする地点にあります。
その辺りは古代に初代ヤマトの中心地点でもありました。




東側から見た蓮台寺山です。上の地図ですと、Hの辺りで撮影しました。
この写真はヤマアトコレクションのページでも載せたものです。
出雲のオリオンと共通しています。





西側から見ると大ネズミのしっぽに相当する所が蓮台寺山です。
こうした動物(スフィンクス)がたくさんいるのが初代の特徴です。





享保増補村記が編集されてから又、約百年後の享和二年(1802)にこんどは「玖珂郡志」が編集されます。
その玖珂郡志には極楽寺の記載がありまして、次のように記してあります。

玖珂郡志 与田保 より

一、本寺。直当廻帳。極楽寺。西山に小庵有之。





やがて現在です。
今から約20年前(1990年頃)にはまだここに極楽寺は存在していました。
廃屋同然に崩れかけた状態で存在していて、当時の印象としては建物が
寺らしくないと申しますか、なんとなく神社っぽい感じのする建物でした。




今では本堂跡に何やら「五柳斎一浦」と刻んだ石碑が建ち、
石碑の周囲に無縁墓の石が集められています。
ここの段差は、かっての本堂の名残りです。

そのほかは特に変化したところはありません。






この写真は2008年撮影ですが、現状同じです。2013年4月確認。




極楽寺跡 方位線分析

北緯 33度57分28.7秒
東経 132度03分46.3秒
精度 +− 3m

拝礼方位 295度




島根県出雲
堂宇跡に向かって右手の方位線です。




島根県出雲
堂宇跡に向かって右手の方位線です。





山口県室津半島と周防大島
堂宇跡の前面方向です。





山口県光市三輪
堂宇跡の背面(拝礼方向)です。





山口県美東町長登(ながのぼり)
堂宇跡の背面(拝礼方向)です。

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極楽寺は麻里府大権現(城山)から延長した鬼門線上にあり、四天王寺の前身があったのではと推測している場所です。

参考までに、この蓮台寺山を中心にして見た日本陰陽道での鬼門方位線上にある社寺を載せておきます。


 蓮台寺山の鬼門を守護している社寺。
(注意・日本陰陽道による鬼門方位です。)


北側鬼門方位

 蓮台寺山 ⇒ 福楽寺 ⇒ 岩国城付近 ⇒ 島根県出雲 ⇒ 平田付近  


南側鬼門方位

 蓮台寺山 ⇒ 光泉寺 ⇒ 妙體権現社 ⇒ 城山 ⇒ 麻里府住吉神社 ⇒ 牛島 ⇒ 祝島 ⇒ 宮崎県高千穂付近 




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