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 長田(おさだ) 椙山稲荷

 北緯 33度57分21.2秒
 東経 132度02分18.4秒
 +− 3m

 撮影 2012年5月10日〜12日




社寺の方位線の密集地点になっている「おさだ」の丘です。
アクセスは山陽本線「田布施」駅からタクシーで約5分程度の距離です。
田布施町役場まで行けば、役場の西側に位置しています。

この丘がおさだの重要地点であり、丘の上に稲荷社が祀ってあります。
古老の話では本来は「おさだ稲荷」と呼ぶのが昔からの通称だということです。
昔は華やかな祭りが行なわれていたそうですが、今は廃れてしまったようです。
「おさ」という言葉は長(リーダー)という意味を持っています。

では、懐風藻に登場している「おさだ」の風景に漢詩や万葉歌を散りばめて見ていきましょう。
なお、懐風藻の漢詩は現地に合わせた解読も可能ですが、
岩波書店発行の日本古典文学大系から大きく外れないようにしました。



おさだの丘への登り道からふもとを見た写真です。
手前の川は田布施川。赤茶色の屋根は龍巌寺。
その向こうの城のような建物は田布施中学校です。





詩文の意味
天のごとく広い紙の上に風のように自由に筆を走らせて雲間に飛ぶ鶴を描き、
山が織物の機(はた)となり、霜が杼(横糸を巻きつける道具)となって
紅葉という錦の織物を織る (以下二首は別人の続けた詩・略す)


万葉集や懐風藻の編纂は年代順に並んではおらず、
通常我々が持っている概念は年代の古いものから先に編纂しますが、
懐風藻は逆進行とも言える編纂です。
現時点の私の解釈では古いのを中に置いて
前後を年代の新しい詩で挟んでいる感じです。
それは現地で照らし合わしてみるとおよそわかります。
万葉集も部分的に歌の並びが逆進行になっている所があります。
逆ではない所も混在しておりましてその見極めには神経を使います。
いずれにしても現地を明確にするとわかり易いです。
上に載せた大津皇子の漢詩は懐風藻では年代の新しい方に属します。




この間、少しずつ入れていく予定。




  







おさだの丘から285度(西北西位)の位置に初代岩戸の呉麓山が見えます





石城山のテレビ局電波塔の所が2度です。
昔レストランがあった所(画面で窪んでいる少し右側)が4度です。
石城山最高峰の高日ヶ峰は明確に見えないので見当で約5度〜8度位になります。
いずれもほぼ北になります。





大内公園と三ヶ岳(みつがだけ)は同一方位にありまして、
三ヶ岳の三つの峰は左から順に75度76度77度にあります。
よって初代上宮と推定する大内公園と同一方位と見ていいと思います。
その方位に朝日が昇って来るのが丁度いまごろ(6月半ば)です。
日の出の写真を掲載できるように努力してみます。

小山と大内公園の中間辺りに初代出雲大社と思われる高い塔が建っていたようです。
その塔と朝日が並ぶのが夏至の頃になりましょうか。
いずれ日の出の写真を掲載できるように努力してみます。





 行きつ戻りつしている漢詩は英文とウリふたつですね。   




 鷁(げき)とは鳥の一種で、軍船の舳先などに彫り込んで守護神となります。
 よって「鷁の目」ですから、睨みつけている感じで怖い意味を表わしています。
 石城山神護寺伝書に「龍頭鷁首」という一節がありまして、それは軍船を意味しています。
 その船は双胴船という説が有力です。






 上の3枚の写真の漢詩や歌は全部同一人物に関係する詩です。女性ですね。   
 その女性はどういう人物かは上の万葉歌を見ればわかります。今で言う保母さんのはしりみたいな人です。
 戦乱が激しくなって子供達を遠くに疎開させる時の心情を詠んだ歌です。
 まだ歩くのもやっとの子供達を引率して疎開したのでしょう。
 905番歌などは別れる親が、お礼は出すからおんぶして行ってくれ、と頼んでいます。



     この間、少しずつ入れていく予定。






懐風藻の最終詩です。
この後に老いを嘆く詩が一つありますが、番外です。万葉集と同じです。
よって、この詩が最終とも言える意味を持っています。
神話と史実、さらには現地の風景をも織り込んであるのがおわかりいただけると思います。

この詩を作った人は万葉集で見ますと百済渡来系の人らしいです。
しかし名前の氏だけ一致では何とも言えません。
「かつ」とも読めますからそう読めば天竺の人になります。
金比羅さまの末裔の人でしょうかね?想像は膨らみます。




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