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石城山・神籠石 5 ナゾの柱穴
東側の列石には不思議な四角い柱穴が開けてあります。
以下、その柱穴の開けてある石を加工石と仮称します。
上の図、A地点に 2か所、 B地点に 3か所あります。
まだほかにも加工石があるはずですが、
現状は列石が埋もれた状態の所があり、
確認できるのは A B の 5穴のみです。
また、その加工は東側の列石にしか見られず、
他の場所の列石も注意深く見ましたが見あたりませんでした。
では、加工石の写真を見ながら説明します。
A-1
A地点-1 の加工石です。
腐葉土に埋まっていたのを掘り出して撮影しました。
石の加工は端面を四角い穴加工がしてあります。
下の図のように奥側は石を残す加工がしてあり、くり抜きではありません。
列石の接合面を有効に使う加工がしてあります。しかし、この方法は
柱に横方向の力がかかると隣りの石がズレてしまう欠点があり、長い柱は使えません。
ただ、雨水抜きという点においては、二方向で抜けるので柱が腐り難く長持ちがします。
列石を真上から見た図です。
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加工位置として、現状で見られる加工は 1個を除いて遊歩道から見て右側に施してあります。
同じく A地点-1の加工石。
加工穴の下の面(底部)が奥側を深く加工してあります。
奥側を深くすると、柱がズレ落ちないです。
全 5穴の内、この加工石がいちばん完成度が高いです。
同じく A-1
列石の連結斜度 20度に対して、柱が垂直になるように加工してあります。
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A-2
A地点-2 の加工石です。
腐葉土に埋まっていたのを間隔の見当で見つけて掘り出しました。
全 5穴の内、これがいちばん小さく、10p×10p です。
同じく A地点-2 の石です。
底部が平坦です。柱を立てるとズレ落ちる欠点があります。
先述した A-1 の加工は底部に傾斜をつけて奥側を深くしています。
奥側を深くしておくと柱がズレません。
なお、写真では石の左側が割れているように見えますが一体の石です。
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A-1 と A-2 の間隔は 4メートルです。
B 側もほぼ同じ間隔です。
メートル法か、とも思います。メートル尺は各地の神籠石でも見られます。
ここの A地点の列石斜度は 20度平均です。
位置
N 33度59分16.6
E 132度02分24.7
位置精度 + - 5m
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頂点の風景
A 土手の向こう側に A-1 と A-2
B 矢印方向に B-1 と B-2 、B-3
C 青矢印方向の下約 10mに溜池跡の底
(深さは目測につき次の機会に計測しておきます)
上写真の土砂に埋もれている列石のなかにも加工痕がある可能性があります。
地面の高度は、土砂埋もれの所を頂点にしてABどちらの列石も下っています。
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土砂埋もれの所から B方向に(約数メートル)進むと、列石の欠落した所があります。
石の欠落している間隔は 1メートル90センチから 2メートルです。
両側の列石の平均長から推測して 2個の石があったと思われます。
加工石の間隔長 4mから順に導いてみると、
ここに加工石がひとつあった計算になります。
なぜここだけ欠落しているのかは不明です。
庭石利用の盗掘かとも思ったこともありますが、
もし盗掘をして、ここから車道まで運び出す経路を考えますと、
今は茂って通れない東門経由で運び出さないと、他の道は急登坂になります。
もし私が盗掘をするなら、こんな奥地など盗らない、という結論に至りました。
この欠落地点の前面には溜池跡の堤があります。
もし、一連の加工石を、水を流す水路の柱穴と仮定してみますと、
この欠落地点に、水ポンプのような物が存在していた可能性を推測してみたりもします。
ここは溜池跡よりも高い場所にあり、水を流すには吸い上げるポンプが必要になります。
しかし、加工石の現状はこの東側だけにしか見られないということを思うと、複雑です。
水門の築造順に考えると、東側が最終築造ですから、加工石が東側だけというのも説明がつきます。
また、旗柱のような物を立てるための痕かなとも思ったりもします。
A地点はふもとの佐田から見える位置にあり、また
B地点はふもとの「からと水道跡」から見える位置にあります。
のぼり旗などを立てると、ふもとからよく見える位置です。
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B-1
B-1
石の全体長は 1m 15p です。
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同じく B-1
奥ゆき 12p 上下の深さ 15〜17p
奥に溜まっているのは腐葉土です。
この底部も平坦な加工です。
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B-2
B-2
同じく B-2
同じく B-2
この加工穴を真上から見ますと三角形をしています。
柱は立てられる大きさの穴です。 しかし、加工が
壁面斜め切りの手抜き加工とも言えそうな雑さです。
底部は平坦です。
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B-3
B-3
この加工がいちばん初歩的で不慣れな加工です。
加工位置は石の真ん中で、片面のみの支えしかありません。
この B-3 を発見した時には、これが加工痕になるのか、割れた痕ではないのかと半信半疑でした。
しかし、間隔長 4m 付近にあり、柱を立てることができるだけの底部を持っており、加工痕と見なしました。
ここまで見て来た全部の加工を振り返ってみます。
この B-3 を始発とするなら、順に加工精度が高くなっていくのが見てとれると思います。
B-2 では、まだ四角い加工をせずに斜め切りの三角加工です。作業は早いですが、格好わるいです。
B-1 と A-2 で四角い加工になりますが、底部が平坦なので柱がズレ落ちる欠点があります。
A-1 は底部の奥側を深くとって、柱がズレ落ちる欠点が解消され、ほぼ完ぺきな加工になっています。
そうすると・・・この柱穴は全部を一度に加工したのではなく、
一定の期間をおいて 1つずつ順に加工していったことになります。
とはいえ、まあ、順に加工している内に考え付く内容ではあります。
石城山・神籠石 6 関連記事の内部リンク集 に続きます。
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